大佛次郎渾身の一作『パリ燃ゆ』とカリカチュアを堪能 パリ・コミューン150年記念

大佛次郎記念館(横浜市中区山手町)は、横浜港を臨む「港の見える丘公園」の一角に立つ、横浜ゆかりの作家「大佛次郎」の業績と生涯を様々な資料で紹介している文学館です。本記念館において、 2021年9月11日(土)から12月25日(土) まで、テーマ展「パリ燃ゆ― 名もなき者たちの声」を開催します。

女性たちが守るブランシュ広場

本年はパリ・コミューン成立から150年めの年。 パリ・コミューンを舞台に描いた大佛次郎の『パリ燃ゆ』は、 コミューンに参加した無名の人々を主役とし、 大佛が"事実"と確認できることがらを「煉瓦のように積み上げた」作品です。
執筆にあたり大佛はパリを訪れ、コミューン当時、バリケードが築かれた街路を歩き、古書店で多くの資料を集めました。

今回の展示では市民たちの生活に焦点を合わせ、大佛次郎が収集した資料に加え、その後記念館が集めたコレクションから、カリカチュアなどの版画やポスターをはじめとする資料約60点をピックアップし、当時の市民がおかれた状況や思いを探ります。
ドラネ《包囲下パリの思い出》
ドラネ《包囲下パリの思い出》

当時の社会的評価ではなく、“事実”にこだわった『パリ燃ゆ』の文章と、150年前の様子を今に伝える鮮やかな資料から、パリを生きた、名もなき民衆の声を浮かび上がらせます。

その他関連イベントも充実です。

【大画面で一挙公開・カリカチュアコレクション】
当館の2,600点のカリカチュア・コレクション(風刺画等を含む版画類)の中から、選りすぐりの1,000点以上の画像公開です。
カリカチュアは、フランスの政治文化の一部であり、メディア芸術の源流にも位置するものです。
1870年7月の普仏戦争から、翌年のパリ・コミューン期にかけて、パリでは絵入り雑誌や新聞など多くの出版物が発行され、一大情報戦が繰り広げられていました。

今回は、2階サロンで、デジタルサイネージを使い一挙公開します。
大画面で色鮮やかなデジタルサイネージの画像は、どれを取ってもお楽しみいただけること請け合いです。

【大佛次郎愛蔵レコード音源の再生】
大佛次郎が所蔵していたレコードの中から、スタジオジブリ作品で歌手のジーナが歌ったことでも有名なシャンソン、J.Bクレマン作詞“さくらんぼの実る頃 Le Temps des cerises”や、E.ポティエ作詞 “インターナショナル L’Internationale”など、パリ・コミューンに関連した楽曲をデジタル音源化。会場でお聞きいただけます。

《展示概要》
【展示名称】 テーマ展示「パリ燃ゆ―名もなき者たちの声」

【展示期間】 2021年9月11日(土)~2021年12月25日(土)

【開館時間】 9月まで10:00~17:30(最終入館17:00)/10月以降10:00~17:00(最終入館16:30)

【休館日】 毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)

【観覧料】 一般/200円 中学生以下/無料 20名以上の団体は150円
*横浜市内在住の65歳以上の方は無料。
*障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料。
*毎月23日(市民の読書の日)と第2、第4土曜日は高校生無料。

【交通アクセス】
電車:みなとみらい線元町・中華街駅から 徒歩8分
⑥番出口からエレベーター・エスカレーター利用でアメリカ山公園経由
⑤番出口から谷戸坂またはフランス山経由
JR根岸線石川町駅から 徒歩20分(南口より元町商店街経由)
バス:神奈中11系統、市営バス20系統または「あかいくつ」にて港の見える丘公園前下車 徒歩2分