【旅と食を愛するすべての人へ贈る続編】心と胃袋を満たす「続おいしい景色」：日本の四季と風土が育んだ究極のグルメ体験と、その土地の物語が織りなす感動の紀行、五感を刺激する極上の食探訪記

2025年12月6日

私たちが旅に出る動機は、美しい風景を見るためだけではありません。その土地の空気を感じ、そして何よりも、その土地の風土が育んだ「おいしいもの」を味わうためです。前作で多くの読者の心と胃袋を掴んだ旅と食のエッセイが、さらに深みを増して帰ってきました。本書『続おいしい景色』は、単なるグルメガイドではなく、食を通じてその土地の魂と出会う、感動的な紀行文です。

ページを開くと、目に飛び込んでくるのは、鮮やかな色彩を放つ旬の食材と、その食材が生まれた美しい風景です。山々の緑、海の青、そして畑の豊かな土の色――。この本は、料理が盛り付けられた皿の上だけでなく、その皿が生まれた「景色」全体を愛でる喜びを教えてくれます。

記憶と結びつく「味」の力

この作品が読者の感情に深く訴えかけるのは、食べ物の「味」が、個人の記憶や旅の体験と強く結びついていることを知っているからです。筆者が語る、ある漁港で食べた素朴な漁師料理の味、雪深い里山で振る舞われた滋味深い煮物の温かさといったエピソードは、私たち自身の過去の旅の記憶や、心の奥底にある郷愁の念を呼び起こします。

「ああ、あの時感じた風の味だ」「こんなにも丁寧に作られた料理を食べたかった」と、読者は感情移入し、食への探求心を刺激されます。そして、その土地の歴史や、食材を育てた人々の思いが綴られることで、ひと皿の料理が、ただの消費物ではなく、深い物語を宿した奇跡のように感じられるのです。