「恋の森」太田山(おおだやま)公園にある木更津市のシンボル「きみさらずタワー」の下,「橘神社」

伝説の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東国征伐に向かおうと浦賀水道(走水の海)から上総に船で渡ろうとしたときに、波が荒れて難儀しました。この時、妃の弟橘媛(オトタチバナヒメ)が海中に入り、海神を鎮める事で、無事に上総にたどりついたのですが、亡くなった媛を思い、尊は何日もその場を立ち去る事ができなかったといわれます。

媛が最後に歌ったのは、相模の野で火が燃え上がっている中で私の事を心配してくれた、それが忘れられないという意味を込めた“さねさし 相模の小野に 燃ゆる火の 火中に立ちて 問ひし君はも”という歌でした。
さすがの尊(“君”)もショックだったのでしょうか、この地を“去る”事ができなかったといわれます。「きみさらずタワー」はこの“君去さらず”に由来した名前なのです。また尊は、ここ太田山公園の地で海をながめ媛を偲んだといわれています。

「きみさらずタワー」の上にはお二人の像が立っておられますが、このタワーに登り、周辺をグルリと一望する事ができます。東京湾にあるアクアラインPA「海ほたる」や東京スカイツリー、また晴れていれば富士山や横浜のランドマークタワーなども見る事ができます。ここは、尊が海を眺め媛を偲んでいたというのがよく分かる場所です。

「きみさらずタワー」の下、海側にあるのが「橘神社」です。小さな神社ですが、ここは弟橘媛を慕って建てられた神社といわれます。
またこの神社がある地は、二人の強い絆から「恋の森」といわれた地で、この神社は縁結びのご利益があるといわれているのです。まずはこの神社に参拝し、ご縁成就の祈願をしましょう。